日本人の葬儀・葬式が仏式とは限らない

日本人だから、仏式のお葬式がいいだろうと思い込むのは勘違いです。
現在は、仏式以外にも神式などの宗教に因んだ葬儀・葬式、また友人葬などを選択する人もいます。

よく、お寺に戒名を頼むとお金が掛かると聞いたことがあるでしょう。
この戒名を付けてもらうためにお寺に払うお金が非常に曖昧で、葬儀・葬式の予算が解り辛くなってしまう要因なのです。
仏式の場合には、このための経費が掛かってしまうために、なんとなく「葬儀・葬式はお金が掛かる」というイメージが定着してしまいました。

そこで、仏式以外の形式の葬儀・葬式を検討して見てはいかがでしょうか。
強い信仰は持ち合わせていない日本人だからこそ、葬儀・葬式の形式は自由に選びやすいのです。
神様を信じていなくても神式の葬儀・葬式で、まったく問題ありません。
堅苦しくない、友人葬を選んでも構わないのです。

要は、残った遺族の心のけじめが葬儀・葬式なのです。
故人の遺志を尊重するのは大切なことですが、残された人の意向もまた大切です。

お墓のお供えは食べるか持ち帰るかの選択を

お墓にお供え物をするときには、お線香やお花は大前提の、お墓参りに持参するアイテムです。

故人の好んでいたお菓子類、飲料やお酒などを持って行くこともあります。持参をするお供え物の準備は万端にしてお墓へ向かいますが、お墓参り後の片付けを完璧にすることも大切です。昔は食べ物などお墓にお供えした飲食物は、持ち帰らないのが暗黙のルールでした。

今とは違い昔は、飢えている人が少なくはなく、食べ物に困る人たちへの施しと考えられていたためです。現代は一転して必ずお供え品は、持ち帰るのがマナーであり、そのまま置きっぱなしにすると問題が生じます。

人間が食べておいしいものを、他の生き物が狙わないはずがありません。常に監視の目を光らせる、カラスなどにとっては絶好の獲物です。人間がお墓から立ち去れば、早速食べ荒らしてしまいます。カラスの襲撃が無くても、飲食品は腐りますし、容器が錆びたりして墓石にダメージを与えるばかりです。

お墓参りのお供えはその場で皆で食べるか、もしくは持ち帰るようにします。

中国における文化の名残がお墓の金箔文字

岡山で墓石の文字彫りをしておもいました。お墓の墓石には文字が刻まれていますが、黒色や白色のほかにも、金色が使用されることもあります。金箔を使い墓石文字を金色にするのは、全国の中でも長崎に多く見られる傾向です。中国のお盆が由来しており、普度盂蘭盆勝絵が中国におけるお盆の正式な名称になります。長崎には崇福寺があり、在留中国人は中国の旧暦に合わせて、崇福寺で普度盂蘭盆勝絵を行いますが、1日ではなく3日間です。釈迦や尊者の霊への慰めのために、お坊さんが初日にお経をあげます。翌日にもお経を上げますが、霊や亡者を呼ぶためのお経です。供え物を全世界にいる霊に与えて、履物や衣類に金銀貨などを燃やしますが、これはいたずらをしないためであり、これにより霊を送ることになります。金貨などを3日目には燃やしていた風習があるので、これに由来してお墓も文字も金色としたのが始まりです。中国と長崎の貿易は、日本が鎖国をしていた時代に盛んにおこなわれていました。当時長崎は世界との出入り口にもなっていたため、日本にはない中国の様々な文化や品物も入ってきています。

お墓の移動は難しい?残す家族の為には・・・

昨年、母方の祖父が亡くなりました。祖父母の現住所は、関東から2,3時間の地方都市。年に数回は会いに行っています。ですが祖父の一族のお墓はそこからかなり田舎に入った土地にあり、車が無ければ行けないような遠い山奥。母方ということ、遠方だということを理由に、私も幼い頃に数えるほど行った程度でした。
祖父は体を壊して寝込む前に、財産の整理や保険の手続きなど、所謂「終活」の簡単なものをしてくれていたので、祖父の死後も事務手続きはすんなり行えました。
そんな祖父が唯一できなかったこと、それが「お墓の引っ越し」です。
自分が入ることになる一族の墓は僻地にあり、残す家族や親戚の負担になるだろう。お葬式やお参りも行きづらいし、管理にも手間をかけてしまう。そう思った祖父は、生家近くにあった元のお墓を、現住所近くの地方都市まで動かすため、お墓のあるお寺にこっそり相談していたようです。
ですが結果は、「不可能」。お寺からはひどく叱られてしまったと、あとから親戚づてに聞きました。
同じ宗派や、所縁・つながりのあるお寺同士だとしても、寺同士の関係性や権利の兼ね合いがあり、住職の許可が下りることは稀だそうです。
祖父の気遣いは嬉しく思いながら、小旅行の気分でお墓参りに通っています。

お墓の土地代(永代使用料)について

お墓を建てるときは、寺院墓地や霊園などに土地を確保する必要がありますが、その時に寺院や霊園に支払うお金のことを「永代使用料」と言います。そして永代使用料を支払うことで、その土地を使うことを認めるという永代使用権を得ることができるのです。しかし、墓地の土地はあくまでも寺院などから借りるものであり、住宅を建てるときに土地を購入する場合とは違います。ですので、消費税や贈与税がかからないということも一つの特徴だと言えるでしょう。
永代使用料の相場は、全国的に見ると60万円~80万円程度になり、60万円程度の価格帯のものが一番多いと言われています。ですが永代使用料は、さまざまな条件によって価格が変わってくるという特徴があるのです。区画の大きさによって変わるということをはじめ、地価や立地の良さ、そして設備の充実度によって価格に違いが出てきます。さらに、自治体が運営している公営霊園のほうが、寺院や民間の霊園より安いという違いもあると言えるでしょう。

お墓の状態を維持する為には清掃が大事です

お墓の清掃といえば雑草抜きや水拭き等が挙げられます。
清掃を怠ってしまうとどうなるかについて紹介します。

1 隣のお墓に迷惑を掛けてしまう
お墓周りはスギナ・カヤ・セイタカアワダチソウ・ドクダミといった雑草が高確率で生えます。
雑草は抜かない限り増え続ける為、隣のお墓に迷惑を掛けてしまう場合があります。
今では100円均一等でも効果が期待できる除草剤が販売されており、1週間程度で効果が発揮されます。
除草剤は管理者の許可を得た上で使用する必要がありますが、使用できれば清掃の労力が削減できます。

2 蚊や毛虫等といった害虫が発生してしまう
お墓周りの雑草を放置していると、蚊や毛虫等といった害虫が発生しやすくなります。
特に雨上がりは蚊が繁殖しやすくなる為、蚊に刺される可能性が高くなります。
また、掃除せずにいるとクモが巣を張ったり不衛生害虫を寄せ付けてしまう恐れがあります。
お墓を虫から守る為には、早い段階で雑草抜きしておく必要があります。

3 水垢や塵が溜まってしまう
雨には塵が油が含まれている為、定期的に水拭きを行わない限り水垢や塵が溜まってしまいます。
水垢や塵が溜まり続けるとシミになったりお墓が変色する恐れがあります。
お墓にシミが付いたり変色してしまうと元の状態に戻すことが困難になります。
その為、定期的に水拭きしておくことをオススメします。

お墓の水洗い後は水気を残さないよう乾拭き

故人を尊び偲ぶためにもお墓参りは大事なことであり、お墓に訪れたら掃除もします。自然の中にあるお墓ですから、木から落ち葉が落ちて地面からは雑草が生えて、植木の枝も自由に生えている状態です。まずはお墓がある区画の掃除をしますので、雑草の草むしりをして落ち葉も集めます。剪定ばさみを持参すれば植木の剪定もできますし、玉砂利が汚れているようなら水洗いです。常に雨風にあたる墓石は汚れているので、タオルやスポンジを持参して水を含ませ、丁寧に磨いていきます。墓石は水洗いをすることもできますが、石材用洗剤を使用してピカピカにすることも可能です。変色をしたり、シミができる可能性がある、酸素系や塩素系の洗剤は使いません。線香皿や花筒など小物類は、中に入っているものを除去して洗います。全体的に水を使い洗いますので、最後はしっかりと水気をとるためにも、乾いたタオルで拭くことです。お墓の墓石や小物など、水分を残してしまうと苔が生えてしまいます。